ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

TA Day19 : 優しい海の町

日が昇る前に起床。

みんなは遅くまで飲んでいたのかまだ寝ている。

キッチンで朝食を作り、準備をする。

 

出発しようとするとJくんが起きてきて、

オーナーに途中まで車で送ってもらうけど一緒に行くか?と誘ってくれた。

私たちはトレイル上はできるだけ歩くようにしたいと思っていたので、

歩いていくよ、ありがとう!と言って一番にキャンプ場を出発。

 

この日のスタートはほとんど道路歩きだったのでサクサク歩く。

ロングトレイルの歩き方は人それぞれ。

道路も全部歩くのもあり、道路は飛ばして自然の中を充分に楽しむのもあり。

みんなそれぞれのペース、それぞれの気持ちで楽しめるのが

ロングトレイルのいいところだと思う。

 

途中1時間ほど森の中を歩く。

久々に渡渉もあったけど、とても歩きやすい森だった。

 

再び道路に出る。

お昼ご飯を食べているとおじさんがやってきて、

今日の宿はあるのか?と聞いてくれる。

目の前を通り過ぎた車が戻ってきて、

車に乗っていくか?と聞いてくれたご夫婦。

世界がこんなに優しいなんて旅をするまでは知らなかった。

 

またしばらく歩いていると、「TA Hiker Welcome Next Home!」

という看板が。

そのお家を訪ねてみると、

さっき車から声をかけてくれたご夫婦のお家だった。

ここでキャンプしてもいいよと言ってくれたけど、

もう少し先に進む予定だったので挨拶だけして帰ってきた。

 

またしばらく道路を歩く。

道路と言っても砂利の道路で、車が通ると砂ぼこりが舞う。

この日は日差しも強かったので、暑さと砂ぼこりで喉がカラカラしていた。

疲れたな~と思ていた時、目の前にCafeの看板が!!

 

これは行くしかない。

なんと素敵な空間!

聞けば、マヌカハニーを作っているオーナーさんが

日曜日午後3時まで営業しているそう。

私たちが到着したのは午後2時!ギリギリセーフ!

 

チーズハムサンドとコーヒーを頼む。

使っている食材もコーヒーもとてもこだわっているようで、

細胞が喜ぶ食事はこういうものか!!と思った。本当においしかった。

サンシェードの下は涼しくて快適。ゆっくり休憩もできた。

このTahi Cafeは6年以上経った今でも時々私たちの話題にあがるほど、

素敵で印象的なCafeだった。

 

 

暑さでへばっていたが、とても元気になり海に向かって歩く。

橋の上で釣りをしている少年に会ったり、犬をお散歩中のお母さんと話す。

道路歩きは自然の中を歩くのとはまた違った楽しみがある。

 

小さな海辺の町の中を歩き、海に出る。

トレイルノートによるとここから海岸を歩くルートになっている。

このあたりの海岸にはマングローブの木がたくさん。

マングローブの芽。

 

少し潮が満ちてきてくるぶし位まで水位があった。

裸足で歩けばいいかと安易な考えで歩き始める。

が、歩き始めると意外と深い。膝まで埋まってしまう。

 

後ろを振り返ると後からやってきたJくんたちもやってきて同じ状況になっている。

もうこれ以上進むことはできないと思い、

丘の方に歩き始めると、一人の少年がカヤックを持ってこちらに来た。

私たちの荷物を船に乗せ、少し先の丘にある家の方まで案内してくれた。

荷物がないと海の中でも埋もれずに歩くことができた。

 

浜で見守っていた少年のお母さんは

ここでキャンプをしてもいいよと言ってくれたが、

少し先のTide SongというB&Bを目指していたので、

道路からB&Bまで歩くことにすると伝えた。

すると少年が海はもう歩けないけど、モーターボートで送ってくれると言う。

いいのかな、、、と迷っている間に、少年が船の準備をしてくれたので、

ありがたくオファーを受けることにした。

 

誰か大人が船を動かしてくれるのかと思っていたら、

操縦してくれるのはなんとその少年であった!!

 

 

 

お母さんは「燃料は十分にある?」「○○は持った?」

と確認し、「OK、気をつけてね!」と私たちを送り出してくれた。

 

少年がエンジンをかける。

ブォン!

ドキドキ。

ブォン!ブォン!

ドキドキドキ。

ブォン!バババババババ

エンジンがかかった!

少年の頼もしさにただただ感動。

 

そして出発。

ブォォォォォォーーーーーー

は、速ーい!!!風が気持ちいい!!

小型の舟に乗るのは初めてだったので終始ドキドキ!

 

彼は12歳。セーリングが大好きだという。

意外と宿までは遠く、10分ほどの船旅になった。

もっと話せばよかったのだけど緊張してあまり話せなかった。

少年にお礼を告げ、船を見送る。

去っていく彼の背中はたくましく、生き生きとしていた。

 

宿まで少し歩く。

歩くのがとても大変だった。

助けてくれた少年には感謝してもしきれない。

 

小さな船着き場があり、ここから上陸。

 

宿まで少し登る。
Tide Songに到着するとJくんたち4人組がすでに到着していた。

みんなは少年のお母さんに車で送ってもらったそうだ。

テントを張らせてもらい、オーナーご夫妻がお家に招待してくれた。

 

Jくんたちも一緒にみんなで色々な話をする。

が、ネイティブの英語は早すぎてほとんどわからないので、

私は雰囲気を楽しむ。笑

お茶とお母さん手作りのスコーンとアンザック(ANZAC)クッキーをいただいた。

本当に優しく素敵なオーナーご夫妻。

お家も、キャンプサイトもとっても素敵で夢みたいな場所だった。

ランドリーとシャワーも使わせてもらい、とてもリラックスできた。

Jくんたちと久々にみんなで楽しく夕食を食べ、眠る。

 

寝袋の中で海の状況を甘く見ていたことを反省。

昼間はドラマみたいな出来事に興奮していたが、

自然の中を歩くのだから、時には止まる、ルートを変える判断も必要だ。

 

たくさんの優しい人たちに出会い、助けられ、

感謝の気持ちでいっぱいになった1日。

辛いなと思うこともあるけれど、頑張って歩き切ろうと改めて思った。

 

DAY19   Nicau Bay Campsite - Tide Song 29km (368km/3000km) 

 

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