目覚める。
ここのバックパッカーはなんと朝食食べ放題。
大盛食べて、ハミルトンの街を出発。
平坦な街の中心部から坂道を上って郊外へ。
病院の大きな建物がいくつもある。
ルート上に大きなスーパーがあったので食料調達。
9日分の食料を背負うのは久しぶりだ。
スーパーの横にドラッグストアがあったので、
店の外にザックを置いて中に入る。
オークランドでJさんにもらった足に塗る軟膏が少なくなっていたので、
新しいものを買うためだ。
店内をうろうろしていると、店員さんに声をかけられた。
「店の外にあるザックはあなたたちの?」
そうだと答えると、店員さんは続けてこう言った。
「誰かに荷物を取られてしまうかもしれないから、
ちゃんと背負っておきなさい。」
これまでも買い物をする時はたいていザックを店の外に置いていた。
ニュージーランドのスーパーは日本と比べ通路が広いけれど、
60リットルのザックを背負うとさすがに邪魔になってしまう。
なので、貴重品だけを持って買い物をするようにしていたのだが、
「誰かに取られてしまうかも」と言われたのはこの地域が初めてだった。
店員さんにお礼を言って、ザックを背負い店内に戻る。
荷物と一体の体ではそーっと歩かないと商品を落としてしまいそうになる。
お目当ての軟膏を見つけ、お会計をして店の外に出た。
店員さんの言葉を思い出す。
今までは日本にいる時のように安心しきっていたけれど、
急に「外国にいるんだ」と自覚し、少し緊張する。
しばらく道を歩き、牧場のエリアに入った。
人の気配が無くなり、少しほっとする。
牧場の入り口付近にTAハイカー用の小さな標識があった。
ゴールのブラフ(BLUFF)までたったの2200キロ!
近いんだか遠いんだかよくわからない。
けれど、ここまで歩いた800キロのおかげか、
この先の距離を見て途方に暮れる感覚はもうない。
牛の牧場やシカの牧場の横を歩いていく。
初めて見るシカの牧場。
一匹の強そうな角を持つシカの周りに角のないシカたちがいて、
みんなで行動しているように見える。
とても気さくで明るいCちゃんと静かで優しいOくん。
少し話をして二人は先へ進んだ。
暗くなってきたので牧場より少し高台の場所でキャンプをすることにした。
動物たちはいないが、フンはたくさん落ちている。
少し雨が降ってきた。
フンの成分が入った水がテントの中に入ることはできれば避けたい。
なるべくフンが少なく、水の流れがなさそうな場所を選びテントを張った。
今日の学び。
牧場にフンのないところはない。
DAY43 Backpackers Central Hamilton - どこかの牧場 26㎞ (826km/3000km)