TA DAY47: 虫のドラマ、落ち着かないデボンシャーティー
朝起きてテントの扉を開けると、ん?何だ?干していた中敷きに何かついている。

……虫の抜け殻だ!!
昨日は雨で靴が濡れた。そんな日は中敷きを外し靴の中に立てるようにして干すようにしている。こんなところで人生(虫生?)のとても大事なできごとが昨夜一晩の間に起こっていたなんて。
決してきれいとは言えない私の中敷きによいしょよいしょと登って羽化した虫が、この空のどこかできっと自由に飛んでいる。ドラマティックだ。

朝食を済ませテントを片付ける。今日は4kmだけ歩いてワイトモ(Waitomo)という町まで歩く。小雨が降る中出発。ずっとロード歩き。


空に虹が出て、青空が見えてきた。



1時間ほど歩きワイトモに到着。町に入ってすぐの所にあるグロウワームツアーに参加することになった。ツアーは一人50ドル。これからまだ何ヶ月も旅が残っていることを思うとさらっと払える値段ではないけれど、入り口で出会ったTAハイカーの二人組におすすめされたので行ってみることにした。

グロウワームという光を放つ虫を見るため、小船に乗って洞窟の中を進んでいく。歌うように話すガイドさんの話を聞きながら、船はどんどん洞窟の奥へ。
外の光が完全に見えなくなった。目の前は真っ暗でピチャンピチャンと水が滴る音だけが響く。みんな何も話さない。しばらく静寂な時間が続き、ガイドさんがゆっくりとした声で「上を見てください。」と言った。
そこには星のように輝く青白い光。目が慣れてくるとよりたくさん見えるようになる。天の川のようだった。これがグロウワーム……!!
ガイドさんによるお話の最後に「きよしこの夜」を歌ってくれた。とても静かで美しく幻想的な時間。旅をしていることも忘れ、宇宙にいるような気持ちになった。世界にはこんなに美しい虫がいるなんて。家族が遊びに来てくれたら一緒に見たいと思った。みんなに見せてあげたい景色がたくさんある。
ツアーの後は町の中心部まで歩き、キャンプ場にテントを張る。晴れてきたので濡れたテントや湿った寝袋を乾かす。
やるべきことを済ませ、私たちの足はワイトモホテルへと向かっていた。なぜなら、デボンシャーティーを楽しむためである!!
プホイ(Puhoi)の町ですっかりデボンシャーの虜になった私たち。ワイトモホテルの看板でデボンシャーできると知った。これは行くしかない!
いつもバックパッカーやキャンプ場しか利用しないので、少しドキドキしながらホテルへ入る。スタッフの方が出てきてくれた。「あ、あの〜デボンシャーティーを頼みたいのですが……。」
「OK、こっちよ。」とスタッフの方に案内してもらったのは高級感のあるホテルの食堂。客は私たちしかいない。
こんな格好でこんな所に来てしまった……。こんな格好しかないのだけれど。そわそわしながらデボンシャーティーを注文。だめだ、落ち着かない。

しばらくしてデボンシャーティーがやってきた!スコーン、クリーム、ジャムとバターが葉っぱの添えられたおしゃれなプレートに乗っている。
わーい!おいしそう!


おいしくて優雅な午後のひととき。そわそわしていたから写真が全部変なポーズになったけど。

DAY47 Waitomo Forest Access Trackの出口 - Waitomo Top10 Holiday Park 4㎞ (896km/3000km)
☆デボンシャーティーの虜になった日の日記↓
kamoshikahiking.hatenablog.com
TA DAY46: 上手くなりたいハイタッチ
朝起きると気持ちのいい青空。
ロード歩きからスタート。

少し歩いて牧場に入る。ちょっと曇ってきた。
今日も羊さんたちはかわいい。


ここの牧場は一気に下って一気に上る道だった。

牧場を抜けて森の小道に入る。

途中雨が降ってきてザックのレインカバーを頭にかぶりしのごうとしたが、本降りになったのでレインウェアを着た。

今度はお花畑の小道。黄色のかわいい花が足元にたくさん咲いている。


そして再び森の道。シダ植物の勢いがすごい。


ハイカーのみんながハイタッチしているのを見た。かっこいいから私たちもやってみたのだが、なかなかタイミングが合わない。
空中で(いつくる?いつだ?)と相手のタイミングを見計らいすぎるのか、あわわわーとなりペチン。手の位置もずれている。
私たちはハイタッチが下手くそだ。
理想はパァァァン!という気持ちの良いハイタッチ。練習あるのみ。

森の出口でテントを張る。今日は10時間歩いた。
ずっときれいな森やお花畑の小道が続き楽しい一日だった。
寝る前にテントの扉を開けて外を見ると空がとてもダイナミック!たなびく雲に夕日が当たり、ピンク、オレンジ、紫、たくさんの色が空一面に広がっていた。

DAY46 道路脇の空き地 - Waitomo Forest Access Trackの出口 28㎞ (892km/3000km)
TA DAY45: もしもしカメよ、カメさんよ
朝起きると霧が晴れている。テントから出てハットへ行き朝ご飯。
幸い熱は上がらず、喉の痛みも和らいでいる。よかった。
曇り空だが、窓から山の稜線が見える。こんな山だったのか〜。

学生さんたちや他のハイカーたちは早めに出発していった。
私たちはハットでの時間を満喫し、少し掃除をしてから歩き始める。
今日は下りだから少しゆっくりしてもいいかな、と気持ちがゆるんでのんびりした。
今日も森の中は美しい。
雨の後で植物はみずみずしく、さらに光も入ってとても明るい。


しかし、雨の後で足元はドロドロ。よく滑る。
私の苦手なMSSな道!!(Muddy・Steep・Slippery/ドロドロ・急坂・滑りやすい)

誤算だった……。まさか下りで時速1km以下のスピードになるなんて。
ドロドロすぎて膝まで泥に埋まるから一歩一歩がまあ大変。
とてもタフな道だった。
全然進まないから気持ちも落ち込んでくる……。

見晴らしがいいところで遠くに雪をかぶった山が見えた。
いい景色に感動してちょっと元気が回復したのも束の間。
「あの方角だともしかしてあの山がトンガリロかな?」とシカが言った。
トンガリロとはこの後TAで歩くルート上にある山の名前である。

山が好きな人ならば、「わー!あのきれいな高い山に登れるの!雪山?!ワクワク!」となるらしいのだが、なんてったって私はメンタル弱々へなちょこハイカー。
「なんだって……これから登る山に雪が……?!怖い!!」となったのだった。
(後に分かるこの雪山はルアペフという山。トンガリロに雪は無かった。)
一日中よろよろと山を下った。
5kmの下りに6時間かかった。誰か嘘だと言ってくれ〜!!

歩いている時は歩くのが下手な自分が嫌で嫌で仕方なかったけど、そんなこと言っても思っても歩かないとしょうがないんだから……と日記を書いている今は思う。

なんとか山道を歩き終え、見晴らしのいい道を歩き、道路脇にテントを張った。大変なスピードで下ったので今日はここまでしか行けなかった。

DAY45 Pahautea Hut - 道路脇の空き地 17㎞ (864km/3000km)
TA DAY 44 : Such is life. それが人生
朝起きて雨。テントを片付けて出発。
雨の中の牧場をひたすら歩く。

牧場は傾斜が急で雨の日はドロドロ。とても滑る。
羊さんたちは足元も見ずとても軽やかに歩き、わたしは足元ばかり見てゆっくり歩く。


少し歩くとAさんに出会った。足が痛いのでこれからハミルトンに戻るという。牧場から森まで一緒に歩く。
ちょうど昨日新しい痛み止めの軟膏を買ったところだったので、使いかけのものをAさんにあげた。早く足が良くなりますように。
森の中で別れ、私たちは今日泊まる予定のハット( 山小屋)を目指す。

雨の日は森がみずみずしい。初めの方はとてもきれいな森だった。苔が美しく霧の中を歩くのが楽しい。

後半はドロドロで登りがきつい。
途中GPSが使えず、今自分たちがどこにいるのかわからなくなった。
それがこんなに精神的によくないとは思わなかった。先が見えないというのはとても疲れる。

今日は初めて一日中雨に降られた。登りが続くと暑くなってきて途中から上のレインウェアを脱いで歩いた。
森の中だから霧雨のシャワーぐらいに感じられたけれど、ずっとそれを浴び続けるとさすがに濡れることがわかった。

やっとピロンギアの山頂に到着。ビューポイントと看板に書いてあり、階段を上っていくと周りに木もなくいい景色が見れそうな所だった。
しかし、今日は霧のおかげで360°グレーな世界。ノービュー······。


しかし、私たちの心は躍っていた。なんてったって今日はTA初のハット泊!
雨でも屋根の下で眠れるぜ!やっほー!と期待を胸にハットを目指す。
少し歩いてハットに着いた。建物の中には小さなシンクのあるキッチンスペースとテーブルがあってウルトラライトの先生Fくんをはじめ顔見知りのハイカーたちが談笑している。
ベッドは二段になっていて、体操教室で使うような固めのマットレスが敷いてある。ベッドの上には中学生か高校生か、若者がたくさんいて賑やかだった。
荷物を下ろし少し休憩してから、さて、私たちのベッドは······と探したが、まさかの満室!ガーン······。結局今日もテント泊。
ハットから少し道を戻った所にテント場があった。地面がとても平で木に囲まれていていい立地。テントを立て、寝るまではハットで過ごすことにした。
ハットに戻ると一人のTAハイカーが日本語で話しかけてくれた。フランス人のOくん。日本語がペラペラでなまりもない。
お遍路が好きで5回も歩いたことがあり、同じ道を何回も歩くと慣れるから裸足でも歩いてみたという驚きの人物。「僕はもう日本人になった。あはは」と笑う。
日本語なので話が弾む。
「ケープレインガ。あ、レインガ岬ね。」とOくんが話してくれたおかげでケープ(Cape)は岬という意味だと初めて知った。
私たちの名前を漢字で覚えてくれたり、とても日本を愛してくれていて、それはすごく嬉しいことだった。また日本で会いたい。
トイレはハットから少し離れたところにあった。泊っている人数が多いのでトイレも並ぶ。シカと話していると前に並んでいたイケメンのお兄さんが話しかけてくれた。またまた日本語!
そのイケメンのお兄さんは先生で、ハットが満室で賑やかだったのは学生の団体さんが来ていたからだった。
ニュージーランドでは学校行事でこんな山登りをするのか!と驚いた。しかも雨の中、宿泊は山小屋といってもベッドがあるだけの所。子どもたちも先生もすごい。
イケメン先生は日本で数年働いていたことがあるそうで、日本語がペラペラだった。
「そっか~ベッドいっぱいだったか~。ごめんね、うちの生徒たちがたくさんで。でも、Such is life. それが人生。」とウィンクしながら先生は言った。
ニュージーランドのハットで過ごす初めての夜。テントと違って色々な人と話せるのが楽しい。今夜はたくさん日本語で話したからなんだか日本にいるような気持ちになった。
屋根のあるところでのびのびとゆっくり夕食を食べることができたのも幸せだった。
しかし、なんだか少し喉が痛くて熱っぽい。テントに戻り日本から持ってきた風邪薬を飲んだ。
雨に濡れて体が冷えてしまったからか。レインウェアはちゃんと上下着ないとな、と反省。
DAY44 どこかの牧場 - Pahautea Hut 21㎞ (847km/3000km)
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☆前日の日記↓
kamoshikahiking.hatenablog.com
☆日本人ハイカーAさんとウルトラライトの先生Fくんと出会った日の日記↓
kamoshikahiking.hatenablog.com
☆軟膏をもらった日の日記↓
kamoshikahiking.hatenablog.com
記念すべき、はてなブログ100投稿目!
ご自愛ください
腰を痛めてしまった。
夜中、子のおむつ替えのために起き上がると、
かがむ姿勢で激痛が走り、いててててという私の声で家族全員が目覚める。
足も少し痺れて、なかなか動くことができず、座った状態でしばらくぼーっとする。
暗闇の中、痛みや体の状態を観察してみる。
腰の痛みをかばおうとしているのか、体全体に力が入っている。
特にすごく肩まわりが凝っているのがわかり、左肩に手をそえた。
うわっ、いつからこんなにカチカチなんだろう。
もみもみもみ。
ふわわわわーーーーん。
自分の手で少しマッサージしただけで、肩がとても軽くなる。
うわ〜、なんだこれ!
体が疲れてくるとストレッチやYouTubeのヨガをして整えることはよくやっているけれど、
自分の体を「手当て」するセルフケアはまた違った癒し効果がある。新発見。
そういえば自分の体を触ることってめったになかった。体を洗うときもスポンジ越しだし。
ベビーマッサージとまではいかずとも、子どもたちの足や背中をすりすりすることは日常茶飯事なのに。
手紙やメールの最後によく書いている「ご自愛ください」ってこれなのか。
愛する人たちに接しているように、自分にも接することなのか。
「ご自愛、ご自愛。」と言いながら、今日も自分の肩を揉む。

余白と深呼吸
それが今年2024年のテーマに決まった。
ちなみに去年のテーマは「淡々と生きる」だった。
昨年から急に始まった、テーマを決めて生きる一年。
このテーマは自分の頭の中で絞り出すものではなく、偶然的に出会った言葉をテーマとしている。
2023年は1月が始まってから、やけに「淡々と」という言葉に出会った。
占いだったり、SNS上だったり、読んでいる本だったり。
一度では終わらない、この言葉との出会いが偶然的に重なって、淡々と生きてみようと一年のテーマを決めたのである。
たくさんの言葉がある中で、「淡々と」という言葉が何度も飛び込んできたということは、無意識に自分がそんな生き方を求めていたのかもしれない。
そして今年もテーマを決めようと思っていたわけではなく、これまた出会ってしまったという感覚で、2024年は「余白」と「深呼吸」という言葉がいろいろな方面から飛び込んできた。
思い返せばここ7、8年ぐらいずーっと何かを目指して突っ走ってきた気がする。
余白と深呼吸を意識しだしてから、こんなに自分を追い込む必要があるのだろうか?と、少し立ち止まって考えるようになった。
今の生活やこれからの未来で大変だと感じるところは思い切って手放し、安心できる場所でゆっくり深呼吸して過ごす時間が今の自分には必要なように感じる。
新しいものが入ってくる余白を用意して。
深呼吸のあとに新鮮な空気を思いっきり吸い込んで。
深呼吸をしてもなかなか眠りにつけないので、久しぶりに文章を書いた。
書くこともまた、頭の中にあるものを外に吐き出すこと。
ようやく眠くなってきた。
おやすみなさい。
TA DAY43: ちゃんと背負っておく
目覚める。
ここのバックパッカーはなんと朝食食べ放題。
大盛食べて、ハミルトンの街を出発。
平坦な街の中心部から坂道を上って郊外へ。
病院の大きな建物がいくつもある。
ルート上に大きなスーパーがあったので食料調達。
9日分の食料を背負うのは久しぶりだ。
スーパーの横にドラッグストアがあったので、
店の外にザックを置いて中に入る。
オークランドでJさんにもらった足に塗る軟膏が少なくなっていたので、
新しいものを買うためだ。
店内をうろうろしていると、店員さんに声をかけられた。
「店の外にあるザックはあなたたちの?」
そうだと答えると、店員さんは続けてこう言った。
「誰かに荷物を取られてしまうかもしれないから、
ちゃんと背負っておきなさい。」
これまでも買い物をする時はたいていザックを店の外に置いていた。
ニュージーランドのスーパーは日本と比べ通路が広いけれど、
60リットルのザックを背負うとさすがに邪魔になってしまう。
なので、貴重品だけを持って買い物をするようにしていたのだが、
「誰かに取られてしまうかも」と言われたのはこの地域が初めてだった。
店員さんにお礼を言って、ザックを背負い店内に戻る。
荷物と一体の体ではそーっと歩かないと商品を落としてしまいそうになる。
お目当ての軟膏を見つけ、お会計をして店の外に出た。
店員さんの言葉を思い出す。
今までは日本にいる時のように安心しきっていたけれど、
急に「外国にいるんだ」と自覚し、少し緊張する。

しばらく道を歩き、牧場のエリアに入った。
人の気配が無くなり、少しほっとする。
牧場の入り口付近にTAハイカー用の小さな標識があった。
ゴールのブラフ(BLUFF)までたったの2200キロ!
近いんだか遠いんだかよくわからない。
けれど、ここまで歩いた800キロのおかげか、
この先の距離を見て途方に暮れる感覚はもうない。

牛の牧場やシカの牧場の横を歩いていく。
初めて見るシカの牧場。
一匹の強そうな角を持つシカの周りに角のないシカたちがいて、
みんなで行動しているように見える。


とても気さくで明るいCちゃんと静かで優しいOくん。
少し話をして二人は先へ進んだ。
暗くなってきたので牧場より少し高台の場所でキャンプをすることにした。
動物たちはいないが、フンはたくさん落ちている。
少し雨が降ってきた。
フンの成分が入った水がテントの中に入ることはできれば避けたい。
なるべくフンが少なく、水の流れがなさそうな場所を選びテントを張った。

今日の学び。
牧場にフンのないところはない。
DAY43 Backpackers Central Hamilton - どこかの牧場 26㎞ (826km/3000km)