ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

本の森を歩く vol.5

太平洋側はよく晴れています。

本の森を歩く。

 

さて、今日は「本の森を歩く」シリーズを始めるきっかけをくれた本のお話です。

 

日常的にテレビを見ない生活になり早7年。

芸能人と呼ばれる人たちの最新情報は7年前で止まっている。

ネットニュースを見ると知らない名前がこんなにも増えたのかと思う。

 

それが今年、あるテレビ番組のある言葉を聞いて衝撃が走った。

 

「白って200色あんねん。」

 

そう、アンミカさんである。

このたった13音の中にこれほどまでの破壊力を込められる人はいるのだろうか。

 

アンミカさんのことは知っていた。

テレビと暮らしていた時代も何度か画面上でお見かけしたことがあったように思う。

けれど、今ほどたくさんのテレビに出演されていた記憶はあまりなく、

わたしの中ではモデルさんというイメージが強かったので、

関西弁を話す方だというのもこの時初めて知った。

 

「白って200色あんねん。」

の衝撃を受けてから、

「ずっと考えているわけではないけれどどこか気になる存在」として

アンミカさんはわたしの中に滞在して下さっていた。

(尊敬するぐらいおもしろいから変な敬語になってしまう。)

 

 

以前「本の森を歩くvol.2」で紹介した

南海キャンディーズ山ちゃんのエッセイが想像以上におもしろかったので、

芸能人の本をもっと読んでみようかなと思っていた。

 

そんな時、わたしの中のどこか気になる存在部屋から

パーッと光を放ちながら扉を開けて登場されたのがアンミカさんだった。

 

 

いつものごとく急いで図書館で蔵書があるか調べる。

あった。アンミカさんの本は2冊ある。

早速予約をして、後日取りに行った。

「あの、予約した本があるんですけど・・・。」

と司書さんに伝えると、

「あ!アンミカさんの本ですね!」

と言われ少し照れる。

なぜなら同時に2冊もアンミカさんの本を借りたということと、

わたしのようなポテトガール(もうガールじゃない年齢か)が

美しいモデルさんの本を借りるという事に少しドキドキしていたのだ。

 

手元にやってきた2冊の本には

アンミカさんのアップのお顔と美しい立ち姿がそれぞれ表紙にバーン。

 

書店や図書館でたまたま見たとしても

この本は手に取らなかった取れなかっただろうと思うほど。

 

そんなポテトガールが影響を受けたのが、

「幸せの選択力~愛・幸・運に恵まれた人生を手に入れる~」

というタイトルの本だった。

 

このタイトルを見ると余計に自分では手に取れなかっただろうと思う。

こんな人生を手に入れたい!という意気込みもなく、

ただ何となく川の流れのように生きているポテトガールと

アンミカさんの本を出会わせてくれた200色の白には感謝している。

 

 

その人が「これは楽しいから、人に広めたい」と思って社会と手をつないだ瞬間、その趣味はこの世における役割に変化する。

それぞれのワクワクを持ち寄り、自分にふさわしい場でこの世における役割を果たす。

 

わたしにとってのワクワクはなんだろう。

読書家と名乗れるほど本を読んではいないし、詳しくないけれど、

本を読むことは好きだ。

そして本を読むことよりも、「本のある空間」にいることが好きで、

小学生の頃から図書館や本屋さんによく通っていた。

 

そんなわけで、ブログという社会と手をつなげる場所で、

気に入った本を紹介してみようと思った。

 

 

 

昔、とある古本屋さんで一日店長をさせてもらったことがある。

その日店長さんはどうしても用事があり店を開けられないということで、

わたしに声がかかったのだった。

店長と言ってもわたしが特別何かをするわけではなく、

薪ストーブで部屋を暖め、お客さんが来るのを待って、

お客さんが来たら対応して、時々火のお世話をするという一日。

お客さんの対応と言っても当時は今よりも本を読んでいなかったので、

本のお話を聞いても

「そうなんですか~。」と相槌を打つことぐらいしかできなかった。

それでも本というものを通して人とつながる時間は

わたしにとってとても心地のいいものだった。

 

店長さんからは事前に常連さんのお話を聞いていて、

「この人が来たらカレーを出してね。

あの人が来たらコーヒー、あの子には紅茶で作るチャイを。」

とサービスのカレーやドリンクの作り方を聞いていた。

 

ご近所さん付き合いの延長線上にあるその古本屋さんには

わたしが店番をしていた日も常連さん(ご近所さん)たちが来てくれて、

みんなでカレーを食べ、お茶を飲んで、

本を見て、本の話をして帰っていった。

 

 

もう何年も前のことだけれど、その一日がとても楽しかったのだった。

そのことを思い出し、また誰かと本の話をしたくなった。

 

自分が好きになった本のことを「ねぇねぇ聞いて!」と家族や友人に話すように。

「一冊の本とわたしのストーリー」をここに書き残すことで、

もしも世界のどこかの誰かと手をつなぐことができるのなら。