朝目覚めると他のみんなも起きていた。
朝食をみんなで食べる。
朝食にちょうど良さそう。今度買ってみよう。
私たちは準備が遅くなったので４人より少し遅れて出発した。
少し進んだところで４人が待っていてくれてまたみんなで一緒に歩く。
この日は山を下って町に向かっていたので、途中から携帯の電波が入るようになった。
「なにー！」
アメリカ人のジェイくんが叫ぶ。
どうやらアメリカ大統領選挙でトランプ氏が大統領になることが確定した
というニュースを携帯で見たらしい。
ニュージーランドに来る前からアメリカ大統領選挙のことはテレビでよく見ていた。
しかし、ずっと電波のないところにいる私にとってアメリカ大統領選のニュースは
なんだか全然違う世界で起きているニュースのような、
本当は自分たちの暮らしにとても関係のあるニュースなのだが、
今まで自分が生きていた世界とは別の世界にいるような、不思議な感覚だった。
私がさまざまなニュースを見て一喜一憂している間も、
森や海や自然の中で生活している生き物にとっては、
いつもと変わらない日常だったのかもしれない。
みんなでニュースについて話しながら歩いていると、
山を下りきったようで道路に出た。
４人はここからヒッチハイクをするみたいなので、わたしたちだけ先に進む。
道路歩きは余裕があるのでこんなことをして遊んだりする。
カメラを取りに戻るために余計に歩かなければいけないのだが。
しばらくひたすらロードを歩くと美しい海が！！
Helena Bayという素敵なビーチ。ここで少し昼寝をして休憩する。
風は寒かったけど日差しが暖かくてちょうどよい。
今日はどこまで歩こうか。
テントを張れそうなところを地図上で探し、
10km先に「Hill」と書いてある開けた場所がありそうなので
そこを目指して歩くことにした。
10kmなら歩いてしまうかと思えるようになってきた。少しは成長しているのか。
Helena Bayからはずっと登りできつかったけど、
かわいいポストをみつけたり、
登り切ったところからの眺めは最高だった。
さっきまでいた海がもう遠くに。
またしばらく歩くとヒッチハイクで先に進んだ４人が休憩しているところに出会った。
少しルートを外れたところの沢で水を汲んできたところらしい。
私たちも同じ場所で水を汲もうとしたところ、
地元のおじさんがこの先に滝があって泳げる場所があると教えてくれたので
ここの沢はスルーして滝で給水することに。また４人と合流して歩く。
この日はずっと道路歩き。
日差しがきつくてのどが渇いていたので滝のプールが楽しみだった。
しかし、歩けども歩けども滝がない。
おかしいなと思いみんなで地図を確認したところ、通り過ぎてしまったらしい。
ジェイくんは責任を感じてしまったのか申し訳なさそうに、
この先沢がなかったら水を分けるよと言ってくれたけど、
自分たちの判断だったので、もう少し先の沢まで歩くことにした。
みんなは少し平らな道の上で寝ることになったので、
また明日ね！と言って先に進んだ。
１km歩いても沢がなかったので、地図を見てシカが水を汲みに行ってくれた。
わたしはテントを張るのにいい場所を探す係になったけど、
薄暗くなってきた森の中を一人で歩くのは初めてだったので、少し心細かった。
なんとか平らに近い場所を見つけ、水もゲット！
見つけた沢はあまり流れていなかったようで、少し茶色い水だった。
水のありがたみを感じながら、
沈む太陽の光でピンクに染まっていく空を見上げながら、
トルティーヤで巻いた辛いレトルトカレーとマッシュルームスープで乾杯。
今世界でどんなことが起きているかわからないが、
水を探して、眠れる場所を探して、歩いて、ご飯を食べて。
この時は自分が生きることに必死だった。
夜中にキーキーという激しい鳴き声で何度も目が覚める。
キウイかイノシシか。
キウイかもしれないと思ったが、起きて外へ出る勇気はなかった。
DAY16 Beachside Holiday Park - Morepoke Forest 30km (303km/3000km)
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
KAMOSHIKA HIKING カモシカハイキング
Te Araroa テ・アラロア
■Instagram - イラスト中心に更新しています。
■You Tube - このセクションの動画はこちら↓
■LINE STAMP - カモシカハイキングのLINEスタンプです★
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
