ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

TA Day17 : Morepork ってどんな豚?

鳥か動物かの鳴き声でなかなか眠れない夜を過ごしたが、

この日は5時に起床。

 

ミューズリーとピーナツバターをぬったクロワッサン

(当時はクロワッサンなんていいものを食べていたのか!)

で朝食をすませ出発。

 

 

 

朝の森は気持ちがいい!

昨日は夕方の薄暗い森で水もなかったから

少し心細い気持ちになったけど、

朝になるだけでこんなにも雰囲気が変わるのだ。

私は朝が好きだ。

 

しばらく歩くと、暑さなのか、ピーナツバターのせいなのか、

めまいのせいか分からないが、クラクラして気持ち悪くなる。

 

ニュージーランドのピーナツバターはうすい塩味で、

初めて食べた時は「うっ、何これ?!」と思うほど

当時の自分の口に合わなかった。

口に合わないというより、日本の甘~いピーナツバターを想像しながら

口に入れたもんだから、記憶と味覚がマッチしなくて脳が混乱しているような感じ。

そんなまだ違和感の残るピーナツバターは気持ち悪くなる原因になりうるものだった。

(そんなこともありましたが、今の私はニュージーランドのピーナツバターの方が好きです。Pick’sというピーナツバターがとっても美味しいのでおすすめです!)

 

原因不明のクラクラと共に山を下り、沢があったので水浴びをして休憩。

少しリフレッシュして水分補給もしっかりできたからか回復した。

 

気を取り直して歩きだすと、今度は左足の太ももに激痛が走る。

どうして何事もなく歩くことができないんだろうと自分にうんざりしながら、

山道を下っていくが、痛みのせいで足が踏ん張れない。

でも下るしかないからどっこいしょ、どこいしょと痛みをこらえて歩く。

 

ものすごく時間がかかる時は、

自己嫌悪に陥る考えばっかり頭に浮かんでいくのだけど、

そういえばこの森はMorepork Forestという名前。

Moreporkってどんな意味なんだろう。

もっと豚が欲しい!!

あるいは

この道を歩くにはもっと豚肉を食べなければ!ということか?

などとMoreporkという謎の豚について考えていたお陰でいつもより少し気が紛れた。

 

なんとか山を下りきったが、予定のMatapouriまで行くことは諦め、

Whananaki(ワナナキ)という町のホリデーパークに泊まることにした。

 

ああ、今日は私のせいで8kmしか歩けなかった。

歩きに来たのに歩くことさえうまくできず、とことん自己嫌悪に陥る。

 

ホリデーパークで休みながら久しぶりに携帯の電源を入れると、

90mile beachで出会ったTuaTuaをくれたCちゃんからメールが来ていた。

「ハロー元気?今私たちは○○の辺りを歩いているよ!」

というような内容だったと思うけど、

同じ道の上で自分と同じように歩いている仲間からの連絡は

とても嬉しく、それまでどんよりしていた気持ちが晴れた。

またどこかで会いたいな。

 

くよくよしていても仕方ない。

町の小さなお店で景気づけにスプライトを買って海を眺めながら飲む。

向こうから黒い雨雲がやってきたので急いでテントに戻り、

乾かしていた服などを取り込んで夕食へ。

 

キッチンに行くとシルバーグレーのショートの髪が素敵で

双子のようにそっくりな2人のマダムハイカーに出会った。

恐らく定年も越えている年齢だと思うのだが、とても軽やかで優しくて、

ゆっくりでもいいからTAを全部歩くんだ、

と話す姿がかっこよく、励まされる。

自分もこんな風に年を重ねていきたい。

食後にマダムたちがジンジャーティーを入れてくれて、

土砂降りの中ほっとする温かさと生姜のピリッとした励ましに感謝した。

 

ロングトレイルを歩き始めてから

思うように歩けない自分のことがますます嫌になってしまった。

どうしてもっと気持ちよく歩くことができないのだろう。

歩いているときは自分と向き合う時間がほとんどで、

色々考えていると自己嫌悪のスパイラルにはまってしまうことばかりだった。

 

何もできない自分が嫌だけど、今はただ歩くことしかできず、

自分の気持ち、心のありかたをどう改善していけばよいのか。

自分で選んだことなのに。

このままでは3000km歩き終えたとしても何も成長しないまま終わってしまいそうだ。

何かを変えなければ、でもどうすればいいのか、

と自問自答を繰り返しながら眠りについた。

 

DAY17  Morepoke Forest - Whananaki Holiday Park 8km (311km/3000km) 

(落ち込んでいたのでこの日は写真が2枚しかなかった笑)

***

「もっと豚を!」なんて思っていたMoreporkですが、

なんとフクロウの名前でした!

ラッキーなことにその後何度かMoreporkを見ることができました。

小さいかわいいフクロウでした。

ニュージーランドの森で夜を過ごすと

「モァポーク、モァポーク」と鳴き声が聞こえることがあります。

この森で夜中に鳴き続けていた声は今思うとMoreporkの声だったのかもしれません。

 

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