ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

冷やすものを探す旅

前回からの続き↓ 

kamoshikahiking.hatenablog.com

 

 

SHIKAのおでこを触ってみると熱も上がっているようだ。

初めての長期海外滞在の1日目から自分がしっかりしなければいけない状況に少し緊張していた。

どうしよう。なんとかしなくては。

ひとまず何か冷やせるものを探しに行くことにした。

 

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しかし、深夜になってしまったのでお土産屋さんやコンビニのようなお店は閉店している。

歩けども歩けども店らしいものもなく、両替をしていないので現金がなく自動販売機も使えない。

 

さてどうするか。さまよっているとハンバーガー屋さんを見つけた。


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よかった、24時間オープンしているようだ。

 

ジュースを注文してその氷を使おうと考えた。

 しかし中国語は話せない。

ああ、大学の時中国語を選択していてその時に旅で使う中国語のフレーズを習っていた。

しかし、今脳内に記憶している言葉は自分の名前と大学名を紹介するフレーズだけだった。

外国語を始めて勉強するとき、自己紹介や This is a pen.のような例文から習っているが、本当にその国で生きるため必要なことをもっと初めに習いたい。

いや、結局は自分の努力不足につきる。

 

そんなことを思いながら店の前でしばらくうろうろしていた。不審者のようだったと思う。

店員さんたちは中国語で話していたが、勇気を出してカウンターへ行き、英語でオレンジジュースを注文してみた。

メニューも指さしたのでオレンジジュースが欲しいことは伝わった。

 

さてここからである。

私の任務は氷をゲットすることだ。

オレンジジュースと氷を分けてもらうことを伝えなければならない。

 

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混乱していてあまり覚えていないが、発音も語順もめちゃくちゃな英語を話していたのだろう。

全然伝わらない。伝わらず焦り、店員さんたちも理解できず困らせてしまった。


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しかし身振り手振り知っている単語を並べて説明し、なんとか伝わった。

わたしの言いたいことを読み取ろうとしてくれた店員さんたちにも大感謝である。

 

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これまでの海外旅行では英語が上手な友人と旅行していたため、困ったことがなかった。

日本でも出国まで自分なりに勉強していたが(全然勉強量が足りていなかったけれど。)、日本の外で、自分だけで母国語以外の言葉を話すのは初めてだった。

言葉を話すだけでドキドキした。

幼少期に初めて言葉を発した時のことは覚えていないけど、もしかしたらこんな風にドキドキしていたのかもしれない。

もしかしたら両親や周りの大人たちが話していることを聞いて、真似してみようかな、どうしようかな、と少し迷って、それから勇気を出して言葉を発してみたのかもしれない。

 

初めてのミッションをクリアしたような達成感と、買い物すら一人でまともにできないでこの先大丈夫だろうかという不安が同時に押し寄せてきた。

でもなんとかなった。日本でだって初めは一人で買い物できなかったんだから。

氷入りのカップとオレンジジュースのカップを持って、SHIKAの元へと急いだ。