ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

始まりはお好み焼きとともに

旅の始まりはいつも決まって突然にやってくる。

始まろうとしている合図と同時にスタートできる準備ができているかどうか。

少し遅れても、少し早くても、その時々で全く違った旅になるのだと思う。

ロングトレイルという長い旅へのスタートもある日突然やってきた。

 

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何週間、何か月もかけて歩くロングトレイルという世界は私にとって関係のない世界だと思っていた。

山登りの経験もなく、アウトドアがたまらなく好きなわけでもない。

たまに自然の中に行くことは好きだけど、街の中で暮らしていくことも楽しい。

残念なことに運動神経はとても悪い。

 

 

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そんなわけでパートナーがロングトレイルを歩くからと言って、「自分も一緒に歩く」という選択肢は全くなかった。

誰かがやっていることだからという理由で何かをするのは好きではないし、

自分の気持ちがそこになければやらないタイプ。

しかし、女心と秋の空。

 

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「歩ける」と言われた瞬間に「歩こう」とすぐに心が決まった。

自分の気持ちがそこにはあったのだ!出会っていなかっただけで。

そんなこんなで出発する2年前の秋、お好み焼き屋で私の旅はスタートした。

 

特別に見たい景色があるわけでもなく、一緒に歩いて同じ思い出を作りたいというわけでもなく、ただ歩きたいな~という気持ちで旅に出ることを決めた。

どちらかと言うと自分への挑戦か。

登山経験もほとんど無いに等しい状態で軽々と、よくもまあそんな決断ができたものだと今になって思う。無知だったからこそ行動できることもあるのだろうか。

 

とにかくロングトレイル3000kmを歩くことになった。

全く想像がつかない旅だけど、ぼやけていた自分の進むべき道がはっきりと輪郭を表したような気がして、

こんなにわくわくすることが世の中にはあるのかと、そわそわしながらお好み焼きを食べた。