ゆるり、のんびり

暮らすように歩き、歩くように暮らす日々の記録

TA DAY21 : 風と丘を下る

前日に頑張って下った階段を朝から一気に登る。

登りきると景色が一望できたが、昨日の快晴から一変。

今日は重たい雲で空がおおわれ、風がとても強い。

 

私たちは昨日まで一緒に歩いていた4人組よりも早く出発した。

わたしはみんなより歩くのに時間がかかるのだ。

しばらくして、LくんとAくんが私たちに追いついた。

 

「Hey, カモ、シカ!It’s so windy!!」

フランス人のAくんは、親指を立てたイイネ!ポーズとウィンクをつけてそう叫んだ。叫ばないと風で声がかき消される。二人は強風の中を駆け下りていった。

 

フランス人のAくんは英語を勉強中。ニュージーランドに来るまであまり話していなかったらしい。

英語が母国語の3人と毎日一緒に歩いて、話すこと、間違えることを恐れずたくさん話して、私たちにもいつも気さくに話しかけてくれる。

彼のように自分も英語を話したいと思った。

「風が強いね!」そんな短い言葉でもコミュニケーションをとることはできるんだ。

日本でも「今日はいい天気ですね!」と話しかけることがあるではないか。

同じ人間なんだから、英語だと構えずに、頭で考えないと話せないことからではなく自分が話せることを話せばいいんだ。

英語に対して消極的だった気持ちが少し上向きになった。

 

この日のBGMは美空ひばり川の流れのように

風が強いので大声で歌っても響かない。

 

知らず知らず歩いて来た

細く長いこの道

振り返れば遥か遠く

故郷が見える

でこぼこ道や曲がりくねった道

地図さえない それもまた人生

 

これはロングトレイルの歌だ。まだ400㎞ぐらいしか歩いてないけど泣ける。

 

 

 

トレイルノートによると、この丘を下りきったところで船に乗り対岸へ渡る。

町に出る前にトイレに行ってくるとシカが言った。

わたしは先に丘を下る。

 

しばらくしてシカが追いついた。表情が暗い。

「どうしたの?」

「風が強すぎて、顔にかかった。」

 

 

丘を下り、船着き場に着いた。

その瞬間、船から「乗ってくか?」とおじさんが声をかけてくれるミラクル。

数分の船旅で対岸へ。

 

船を降りると、そこは大きな石油の施設があった。

そこから海岸を歩き、Ruakaka Beach Holiday Parkを目指す。

 

ここまで楽しく歩いていたけど、ちょっとしたことでケンカになった。

わたしはやけになって一人でかなりペースを上げて歩く。

人は怒るとこんなにもパワーが出てくるのか。自分でも驚いた。

普段からこのくらいのペースで歩けたらいいのに。

そう思ったのも束の間。

慣れないことをしたせいか、ケンカをしてしまった罰か、左のかかとに嫌な痛みが。

 

結局いつもよりペースが落ちてシカにも追いつかれてしまった。

お互いちょっと頭が冷えたので、ケンカは終わった。

 

最後に川を渡ってホリデーパークに着いた。

この日は疲れたのでインドカレーを食べた。

一人20ドルだったのでキャビンに泊まることにした。

久しぶりに屋根のあるところで強風をしのげてゆっくり休めたが、かかとの痛みはまだ少し残っていた。

 

DAY21   Peach Cove Hut - Ruakaka Beach Holiday Park 22km (408km/3000km) 

 

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Te Araroa(テ・アラロア) ニュージーランド3000㎞の旅

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