わたしはプリンが好きである。
卵、牛乳、砂糖というシンプルな材料であんなにおいしい、ぷるぷるした食感のデザートになるんだから、感動的だ。
小学生の頃、「わかったさんのプリン」という本を読んだ。
最後にあるプリンのレシピを見てみると、材料も工程も簡単で驚いた。
これならわたしも作れそう。
そう思い、最初は友達の家で何人かで一緒に作った。
それからは家で一人プリン作りに没頭。
小学4年生の文集ではプリンの作り方について熱く語る作文も書いたりした。
それぐらい昔からプリンが好きだ。
3つの材料でとってもおいしい。
優しい味のプリン。
でも何かが物足りない。
そこで登場するのがバニラエッセンスである。
バニラエッセンスを一滴、ニ滴加えるだけで、
とてもドラマティックな味のプリンができあがる。
わたしにとってブログを書くことは、プリンで言うバニラエッセンスのようなものだ。
無くてもいいけど、
あったらもっとおいしくなる。
そんな感じ。
普段の生活や経験のあれこれを文章にすることで、
自分はこんなことを考えているんだなぁとか
もっとこうしたらいいかもしれないとか
何でもない、いつもなら見逃してしまうことに注目したり、感動できたり。
ただ生きているだけでは出会えなかった新しい発見があって、人生の風味を豊かにしてくれるような気がする。
また、今日もわたしという人間は形を変えている。
ある経験をすると物の見え方、考え方がすっかり変わってしまうのだ。
その経験は大きい小さい色々あるけど、
例えばプリンを作るという経験。
プリンをまだ作ったことがない自分と、
作ったプリンにすが入ってしまった自分、
なめらかでおいしくい作れるようになった自分
がいる。
さて、その時の感情は。
どうやって作るのかな?
悔しい!今度はうまく作りたい!
嬉しい!今度は誰かに食べてもらいたいな。
こんな風に三者三様、プリンというものから発生する感情はそれぞれで、その感情が向かう先も違うものになる。
だからわたしはブログを書く。
この瞬間の、“いまのわたし”というエッセンスを残しておきたい気持ちもあるのかもしれない。
さらに、みなさんのブログを読むことはわたしの人生に新たな香りを運んできてくれる。
わたしの知らない世界で生きる出会ったことのない人たちが、経験したこと、考えたこと、感じたことを文章で読む。
自分の世界が広がったり、一つの文章から勇気をもらったり、感動したり。
それは本でもできることだけど、
ブログは誰でも、自由に書けるのがいいところだと思う。
この前こんなことがあった。
バックカントリースキーの映像を家族で見ていた時。
わたし「うわー、怖そう!こんなこと絶対やりたくないわー」
夫「こんなところ滑れたら気持ち良さそう!最高だなー」
ほぼ同時に口から出た感想である。
これが人間のおもしろいところだと思った。
受け止める人間が違うだけでこんなに違う感想になるんだから、なんとも不思議。
こんな風に同じものを見ても全く違う気持ちになることもあるし、
違う経験をしているのにその人の気持ちになんとなく共感できることもある。
たくさんのブログがあって、みなさんの色々な経験とその時の感情があって。
お互い書き留めておきたいバニラエッセンス的なものを交換する場がブログのような気がしている。
誰かが書いたバニラエッセンスがきっかけで、
数年後にはそれが卵ぐらいの割合で自分のプリン(人生)を作っていることもあったりするかもしれない。
人生おもしろいじゃないか。
歩いた日々の記録を自分のために残しておこうと始めたこのブログ。
今では、
経験とか色んなものをみなさんと交換できたらいいな、
なんて思っているのだから、
わたしもまた「ブログを書く」ということを通して新たな自分に出会っている。
あ〜プリンが食べたくなってきた。
最後に。
バニラエッセンスは一回も使い切った記憶はないのに何度も買っている。
そんな調味料?です。
特別お題「わたしがブログを書く理由」